小売業・サービス業好き! 全員集合!31

□催事と売場の「やんごとなき」関係②…「桃の節句(ひな祭り)編」

 3月に入り、気温が上がってくると春の兆しを感じます。3月3日の「桃の節句

(ひな祭り)」は「女の子のお祭り」としてひなあられやチラシ寿司等を食べて祝う

日という感じでしたが、最近は「冬が過ぎ、春が近づく日」というイメージで受け

取られている方が多いように感じます。

 その証拠に、以前のひな祭りは、ご家庭に女の子がいらっしゃらない場合は、

関係ない感じでしたが、今はそんなことは関係ありません。ご年配の方も含めて

チラシ寿司や春野菜の天ぷら、はたまたピザやスイーツまで、春を楽しむような

メニューが食卓を彩ります。「冬のメニューから春のメニューへの切り替わり」

がひな祭りなのかもしれませんね。

 売り手側も今までの雛あられ、チラシ寿司一辺倒から、桃色を前面に出した

商品(フルーチェやお酒、スイーツ等)を売場の要所に展開し、春らしさを演出

します。と同時に、鍋つゆやお餅等のホット商材が主役から降りるタイミング

でもあります。

 売場でよく言うのは「季節は戻らない」という言葉です。気温が上がって

くると、たとえ急に寒い日があっても鍋物商材がすごく売れるわけではない、

「消費者の中にある季節は逆戻りしない」という意味で使われます。人間も

生き物である以上、季節に沿って生きているんだなと感じます。