□開店時は「整然」と、ピーク時は「雑然」と…
スーパーマーケットの開店直後の時間帯に買物に来られる方は、比較的時間に余裕の
ある方(年配の方や専業主婦の方等)が多いようです。一方、夕方以降の時間帯に来店さ
れる方は有職者の方が圧倒的に多くなります。
開店直後の時間帯に買物に来られる方は、「セール品目当て」という方もいらっしゃ
いますが、「鮮度の良い商品」や「整った売場でゆっくり買物がしたい」と思われてい
る方が多くいらっしゃいます。ですので、売り手側も開店時の品揃えや鮮度、クリンリ
ネスには手が抜けません。きちんとした売場でお迎えできないと、瞬く間に悪い評判が
広がるからです。
一方、夕方以降の時間帯に来店される方は、帰宅後の忙しい家事の前の買物という方
が多いため、必要な商品を買って早く帰りたいという意識が働きます。当然売場全体を
細かく見て歩くような余裕はありませんし、セール品だけを目的に来店される方も僅か
です。そうなると「売れてなさそうな売場」や「人が立ち寄っていない売場」にはあま
り足を向けていただけません。売り手側としては、売場全体を見てほしいので、そうい
う時は奥の手を出します。その奥の手とは、立ち寄りの悪い売場の商品はわざと陳列を
乱したり、凸凹を作り、「あたかも売れているように見せる」というテクニックです。
時にはこうして売場を「雑然」とさせることで、逆にお客様の「心理的安心感」を得る
ことも必要になるのです。
