□「選んで買えること」「必要なだけ買えること」の難しさ…
前々回の続きです。スーパーマーケットに限ったことではありませんが、商品が
残り1個になると急激に売れが悪くなります。これはお客様が「比較できる商品が
ないと選択肢から外す」という思考(ヒューリステック)になるため、商品はあるも
のの購入対象から外されたことになります。同一商品が複数あり、選択できるから
こそ売れるのですが、このことを売り手側が十分に理解しているかどうかというと、
私の経験からも甚だ疑問です。その商品が1個残っているのだから「商品はある」と
認識していることが実に多いのです。ここにお客様とのアンマッチが生まれます。
また、スーパーマーケットの品揃えには「1・2・3の原則」というのがあります。
同じアイテムで「1個入」「2個入」「3個入」のものがあれば、基本的にどの必要
数にも応えられるからです。良いスーパーマーケットは、この「1・2・3の原則」が
どの部門にも貫かれています。しかし、「1・2・3の原則」が閉店間際まで維持でき
るかというと、なかなか難しいのが現状です。どの時間帯まで「必要なだけ、選ん
で買える売場にするか」を日々追求していくことが大切かなと思います。