□「たかが5%」、「されど5%」
スーパーマーケットに限らず、多くのチェーンストアでは、品揃えはどの店舗でも
ほとんど同じようになっています。これは、本部で必要な品揃えを計画し、それに基
づいて売場作りが行われるからです。そのほうが会社(組織)として仕入れや運営コス
トを低くできるからです。店ごとに品揃えが異なると、その分在庫の確保や発注にか
かる時間や手間が増加し、効率が悪くなります。
一方で、同じ会社の店舗でも立地条件は一律ではありません。都市部にある店舗
や少し田舎にある店舗、海に近い店舗や内陸部の店舗等、立地が異なればお客様の
志向や地域性、行事などが大きく異なります。そのため食品スーパーでは品揃えす
る商品の5%程度は、地域で支持もしくは必要とされている商品を配置することが多
いようです。
5%といっても馬鹿にしてはいけません。その5%の地域商品がないとお客様に
「自分たちに必要なお店」とみなしてもらえないのです。それは豆腐であったり、
味噌であったり、醬油であったり、はたまたお魚であったりしますが、その「5%
の地域商品があることが大事」なのです。お客様の暮らしは地域に根差しています。
お客様が慣れ親しんだ味、毎日の食事に欠かせない地域商品があることで「自分た
ちに必要な店舗」と認められ、晴れてその地域に「土着」することができるのです。