小売業・サービス業好き! 全員集合!⑮

□「たかが5%」、「されど5%」

 スーパーマーケットに限らず、多くのチェーンストアでは、品揃えはどの店舗でも

ほとんど同じようになっています。これは、本部で必要な品揃えを計画し、それに基

づいて売場作りが行われるからです。そのほうが会社(組織)として仕入れや運営コス

トを低くできるからです。店ごとに品揃えが異なると、その分在庫の確保や発注にか

かる時間や手間が増加し、効率が悪くなります。

 一方で、同じ会社の店舗でも立地条件は一律ではありません。都市部にある店舗

や少し田舎にある店舗、海に近い店舗や内陸部の店舗等、立地が異なればお客様の

志向や地域性、行事などが大きく異なります。そのため食品スーパーでは品揃えす

る商品の5%程度は、地域で支持もしくは必要とされている商品を配置することが多

いようです。

 5%といっても馬鹿にしてはいけません。その5%の地域商品がないとお客様に

「自たちに必要なお店」とみなしてもらえないのです。それは豆腐であったり、

味噌であったり、醬油であったり、はたまたお魚であったりしますが、その「5%

の地域商品があることが大事」なのです。お客様の暮らしは地域に根差しています。

お客様が慣れ親しんだ味、毎日の食事に欠かせない地域商品があることで「自分た

ちに必要な店舗」と認められ、晴れてその地域に「土着」することができるのです。