□「商品が完全な形であること」の難しさ…
前回の続きですが、萎れた野菜や血合いが変色したお刺身、肉汁(ドリップ)がトレー
に溜まっているお肉、ネタが乾いたお寿司などは誰も買いたくないはずです。当然そう
いった商品を販売しているお店には客足は遠のいていきます。鮮度の落ちた商品が売場
にないか定期的に点検し、あれば撤去したり値下げして販売することが販売者としての
責務です。
では、次のような商品に出会ったことはありませんか? 大きさが不揃いだけど価格が
同じ大根、3切れ入りのパックの中に、1切れだけ形が悪いものが入っているブリ切身、
1パックだけ脂身がやけに多い豚バラ肉等。これらの商品はお客様の厳しい選択眼によ
って、買物かごに入ることはまずありません。鮮度が悪いわけではないけれど、売れ残
る商品たちです。「商品が完全な形であること」は取りも直さず、お客様が厳しく選別
しなくても購入できることを意味します。そのためには、仕入れ担当者、店長、各部門
の担当者など、商品に関わる全ての人が同じ意識をもって業務を行うことが必要になり
ます。「お客様の視点で」全員が仕事をすることの大切さと難しさ…