□「オール・イン」?
「オール・イン」というとひと昔前に流行った韓国ドラマを思い出される方も
いらっしゃると思いますが、韓国ドラマのことではありません。
スーパーマーケット業界で「オール・イン」とは、正確には「オール・イン
ストア加工」の略語で生鮮、惣菜部門の商品作りをすべて店舗の作業室で行うこと
を指します。
反対に店舗以外の場所で作られて納品された商品は、「アウトパック」とか
「センターパック」と呼ばれます。商品についているラベルを見ると一番下の
「加工地」が販売している店舗以外の場所か他のメーカーになっているので、
容易に識別できます。
特に店舗数を多いチェーンストアでは、それぞれの店舗で商品作りを行うより、
大規模なセンターや他のメーカー等で集中して製造した方が効率が上がります。
折からの人手不足問題や各店舗に専門的なスキルを持った社員の確保が厳しいと
いう問題から、店舗以外の場所で製造した商品をトラックで店舗に納品する方法
がかなり一般的になりました。
お客様の立場でいうとどうでしょうか。メリットはあまり感じませんが、
デメリットとしては「インストア加工した商品より鮮度が落ちやすい」ことです。
大規模なセンター等でまとめて製造する場合、店舗への納品時間から逆算して
製造するようになります。そうなると店舗で商品作りをする時より早い時間から
作業を行うことになります。商品によっては納品日の前日や前々日から製造が始
まる場合もあります。
またパック単位での発注になるため、発注予測が狂うと「鶏肉もも肉2枚入」は
売場に大量にあるのに、「鶏もも肉1枚入」は全くないという事態も発生します。
そうかといって店舗外で製造された商品のパックを破って、量目を変更することは
「加工地」が変わるためできません。
効率を追求することはもちろん大切ですが、お客様の立場でどうなのかを常に考え
ていくことが最も大切ではないでしょうか。