□セルフ」は続くよ、どこまでも?
スーパーマーケットは本来「セルフサービス」が基本ですが、「セルフ」の
流れがチェックアウト(支払い)にも及んできました。ほんの10年前までは、レジ
係の人がスキャンから会計まで行っていましたが、今ではセミセルフレジ(スキャン
はレジ係で会計は客が行う)、フルセルフレジ(スキャンも会計も客が行う)がかな
り幅を利かせてきました。コンビニやドラッグストアは言うに及ばず、回転寿司
に至ってはコールボタンを押さない限り、全く人と接しないことも当たり前に
なりました。
これは新型コロナの影響と業界の人手不足も相まって、キャッシュレス化、
クイックチェックアウト志向が浸透してきたことが背景にあります。
では今後はどのようになっていくのでしょうか? 個人的な意見も含めて言わ
せていただければ、「更なるセルフ化」が進む一方で、「原点回帰する」動き
が出てくるのではないかと思います。
「更なるセルフ化」はスマホ決済等が浸透してきて、買物かごに入れた商品
を自動会計する「スマートカート」等の導入が拡大し、レジがなくてもチェック
アウトできる店舗が増えてくるのではないかと思います。この流れは、どちら
かというと人手不足による「省人化」対策によるものです。
では「原点回帰する」流れはというと、「高齢化」がキーワードになります。
高齢の方はスマホや端末、最新の情報機器の扱いが不慣れですし、歳とともに
できていたこともできなくなる、面倒になる傾向があります。
昔ながらのレジでレジ係の人と話をしながら、やりとりできる店舗がもしあれ
ば、その店を利用する方は一定数いらっしゃるのではないでしょうか? また、
歳とともに「安い店」「インテリジェンスな店」より、「自分にとって心地良い
店」に行きたいと考える人が増えてくるのではないかと思います。現にEUでは
原点回帰した店舗が出現し始めているようです。