小売業・サービス業好き! 全員集合!42

□「スローショッピング」という考え方

 もともと「スローショッピング」という考え方はイギリスが発祥だそうです。

高齢や障害等で、スムーズに買物やチェックアウトができない方を支援するため、

買物サポート役の方が一緒買物をお手伝いしたり、「スローレジ」を設けて、

ゆっくり会計ができるような取り組みのことを指します。

 近年、日本でも「スローショッピング」という考え方を取り入れるスーパーが

増えてきました。最初は山形のスーパー「マイヤ」が認知症患者の方が安心して

買物ができるように、曜日や時間帯を決めて「スローショッピングの日」を設定。

従業員の方に「認知症サポーター研修」を行い、お店全体でサポートする体制を

作ったそうです。また「スロー(ゆっくり)レジ」を配置し、会計に時間がかかる方

を優先したレジであることを来店者の方に告知し、レジ担当者は笑顔で会話しな

がら会計のお手伝いを行っています。この取り組みが評判となり、全国でも

「スローショッピング」や「スロー(ゆっくり)レジ」を取り入れるスーパーが

増えています。

 高齢者や買物が困難な方にもショッピングを楽しんでもらい、一人の人間と

して今まで通りの日常生活ができるように、社会全体でサポートしていくこと

が求められているような気がします。

 少しでも早く買物ができ、時間を有効活用したいという「クイックショッ

ピング」という考え方と同時に、誰も取り残さない社会を目指す意味でも

「スローショッピング」という考え方も時代の要求なのかもしれません。