□「スローショッピング」という考え方
もともと「スローショッピング」という考え方はイギリスが発祥だそうです。
高齢や障害等で、スムーズに買物やチェックアウトができない方を支援するため、
買物サポート役の方が一緒買物をお手伝いしたり、「スローレジ」を設けて、
ゆっくり会計ができるような取り組みのことを指します。
近年、日本でも「スローショッピング」という考え方を取り入れるスーパーが
増えてきました。最初は山形のスーパー「マイヤ」が認知症患者の方が安心して
買物ができるように、曜日や時間帯を決めて「スローショッピングの日」を設定。
従業員の方に「認知症サポーター研修」を行い、お店全体でサポートする体制を
作ったそうです。また「スロー(ゆっくり)レジ」を配置し、会計に時間がかかる方
を優先したレジであることを来店者の方に告知し、レジ担当者は笑顔で会話しな
がら会計のお手伝いを行っています。この取り組みが評判となり、全国でも
「スローショッピング」や「スロー(ゆっくり)レジ」を取り入れるスーパーが
増えています。
高齢者や買物が困難な方にもショッピングを楽しんでもらい、一人の人間として
今まで通りの日常生活ができるように、社会全体でサポートしていくことが求めら
れているような気がします。
少しでも早く買物ができ、時間を有効活用したいという「クイックショッピング」
という考え方と同時に、誰も取り残さない社会を目指す意味でも「スローショッピン
グ」という考え方も時代の要求なのかもしれません。