□部門の役割…畜産編
スーパーマーケットで取り扱う畜種は「牛」「豚」「鶏」が主で「羊」「鴨」が
加わるくらいでしょうか。
季節によって扱う畜種が大きく変わることがないため、料理用途や部位ごとの
提供方法(焼き肉用やスライス等)、量目、等級やグレード(国産、外国産、銘柄、
産直等)を組み合わせることで、買物の選択肢を広げることができます。
また、切り方などによって、味が大きく変わるため加工技術も重要になります。
角の立った焼き肉用や厚さの揃ったステーキ肉、食べやすい厚みのしゃぶしゃぶ
用など、同じように見えても、食べ比べると味が違うことが多々あります。
畜産部門の華は何といっても「牛肉」です。普段は豚肉、鶏肉の利用が多い
ですが、週末やお花見やゴールデンウイーク、お盆シーズンでの「焼き肉商材」、
年末・年始の「すき焼き、しゃぶしゃぶ用」などの利用が一気に高まります。
そのため、牛肉売場は平日と週末、催事での売り方やボリュームが大きく変え
なければなりません。普段から品揃えしていない商品は、催事やお祝い事のとき
に「アテ」にされません。お客様に「アテ」にされるには、普段からきちんと
した売場作り、商品作りをしておくことが重要です。
地域ごとに売れる畜種が大きく異なることもおもしろい点です。北海道は昔炭鉱
で働く方が多く、交代制で勤務する夫のために、作り置きしても堅くなりにくい
豚肉が好まれたことから、今でも売場に占める豚肉の売場構成は高くなっています。
沖縄も豚肉文化圏です。南方の文化の影響や気温が高いため、栄養補給のために
豚肉が好まれたこと等に由来しているようです。九州は総じて鶏肉の利用が高い
ようです。宮崎など養鶏が盛んな土地柄も関係しているようです。