小売業・サービス業好き! 全員集合!43

□小は大に勝る?

   世の中にはいろいろな業界がありますが、総じていえば力関係は、大企業>

中堅企業>小企業>零細企業という図式が成り立つのではないでしょうか。

企業の規模を覆して、中小企業が大企業を凌駕しているという話は殆ど聞いた

ことがありません。

 これが小売業の世界になると少し状況が変わってきます。皆さんの周りで

大企業のショッピングセンターやショッピングモールの近くで、昔ながらの

商店街が元気に営業していたり、ローカルスーパーが根強い人気を誇っている

という状況を見たことはありませんか?

 そうなんです。小売業は「規模=お客様の支持」とはならないところが面白い

ところです。なぜかというと、食料品をはじめ、生活必需品は「地域性」に左右

される部分が少なからずあるからです。(「たかが5%、されど5%」の項を参照

ください)  大企業が細かく地域の特性を理解できているかというと、そうで

ない場合が多々あります。

  また、大企業の立場として一次産業の産品(農産品、水産品、畜産品等)も、

「大量生産できないものは、大企業の仕入れルートに乗りにくい」という事情が

あります。数十~数百店舗のチェーンストアの場合、全店で販売できる「量」の

確保がまず必要になります。地域で細々と生産されてきた商品を個店ごとに仕入

れることは、大変面倒で困難なことなのです。それに一次産品は工場製品と違い、「量」をかき集めようとすると、かえって割高になるのです。一方で、地場の中

小・零細企業の店舗は、店舗数も少なく、地域密着型でやってきているため、

小規模生産者からの調達はお手の物です。お客様が望む鮮度の良い地場商品を

お手頃価格で販売できる強みがあるため、大企業のショッピングセンターや

ショッピングモールの近くでも、地域の地場スーパーがお客様で賑わっている

ことが当たり前に存在しているのです。