□鵜の目鷹の目?
もう随分前、私が店長をしていた頃の話です。菓子担当パートのMさんと菓子
エンド(通路に面した棚の端で、商品を大量陳列して販売する場所)の展開について
話をしていた時のことです。Mさん曰く「今度入ったカルビーの新商品の『じゃ
がりこ』はものすごく売れてます」とのこと。そういえば、特売でもないのに
毎日20ケース以上納品されているのを思い出しました。「先日欠品したので、
店長からもバイヤーに欠品させないように言うといてください」と懇願されて
しまいました。
そんなある日、カルビーの支店の方が数人、お店に来られ、売場の写真を撮ら
せてもらえないかと頼まれたのです。「売場の写真を何に使うんですか?」と尋ね
ると「こちらのお店は、「じゃがりこ」の販売数がエリアで断トツ1位なんです。
支社長からどんな売り方をしているか至急調査するように指示がありまして」
とのことでした。
Mさんが行った「じゃがりこ」の販促とは。それは「じゃがりこ サラダ」を
①細かく砕いてサラダにトッピングすると簡単でおいしいこと、②カロリーが意
外と低いこと、③野菜嫌いな子供が喜んで食べることを売場に掲示し、徹底的に
「じゃがりこ サラダ」を売り込むというものでした。お菓子としてだけでは
なく、料理の一品にもなることで、購入のきっかけを増やしていたのです。
Mさんに「すごい切り口だね。Mさんのアイデア?」と聞くと、「料理雑誌に
トッピングのことが書いてあったのを見てピンときた」んだそうです。インター
ネットもまだ全盛とはいえない時代です。新商品をもっと売る方法はないか
「鵜の目鷹の目」で探していたMさんには、トッピングとじゃがりこが結びつい
たのでしょう。その思いとアンテナに感服し、拍手喝采した次第です。