□「良い習慣を身につける」~教育はしくみと継続?
マクドナルドのレジに「スマイル0円」と書かれているのはご存知でしょうか?
「笑顔はお金の掛からないおもてなし」という意味で、新たに採用されたパー
ト、アルバイトさんには、そういうことをきちんと教育するそうです。
「躾」というと堅苦しい感じがするのは現在の風潮でしょうか。それなら「良
い習慣」と考えたら、少しフランクな感じがしませんか? 企業に入ると「挨拶」
や「笑顔」、「言葉使い」「名刺の渡し方・受け取り方」「メールのルール」等
ビジネスを進めていく上で必要な教育が行われます。ただ講義や研修で「良い習
慣」が身につくことはありません。「習慣」とは「繰り返し」を意味します。
毎日当たり前に繰り返すことで、初めて身につくものです。
俗に「10,000時間の法則」というのがあります。何事も上級の腕前になるには
10,000時間かかるという意味です。1日4時間やり続けて約7年かかる計算です。
飛行機のパイロットも10,000時間の操縦経験で一人前と認められると聞いたこと
があります。
あるスーパーマーケットに研修に行った時のことです。バックヤード(売場後
方の店舗スペース)でレジ係の方が業務の引継ぎ行っていました。よく見るとバッ
クヤードの床に3メートル間隔で白線が引かれていました。この白線は何に使う
のだろうと思っていたら、レジ係の方がその白線で互いに向き合い、業務の引き
継ぎを行っているではありませんか。ザワザワしたバックヤードですから、大き
な声を出さないとお互いの声は届きません。しっかりお腹から声を出す訓練と引
継ぎをセットで行っていたのです。特別な訓練を行うわけではなく、業務の中で
ちょっとした工夫を取り入れることで「良い習慣」が身につく「しかけ」がそこ
にありました。