小売業・サービス業好き! 全員集合!62

□マージンミックス?

  1930年8月、アメリカで、「大型店舗に、セルフサービスで、低価格

(低利幅)9%で、ダイナミック価格(300品目を原価で、5%、15%、20%

の利掛でそれぞれ200品目ずつ)の総合食品店を開けば成功する」と考えら

れてできたのがマージンミックスという考え方の始まりです。

 このように、スーパーマーケットでは、その創設時から「マージンミックス」

の考え方で価格を設定しています。

 

[カレンの低価格設定計算式(マージンミックス)(マーチャンダイジングミックス)]

品名

アイテム数

構成比

値入率

相乗比(積)

300

 33%

0%

0

200

 22%

5%

1.1

200

 22%

15%

3.3

200

22(23)%

20%

4.6

900

 100%

 

9.0

 

 値入率の低い商品と高い商品を組み合わせて、「安さ」を提供しながら利益管

理を行う手法が「マージンミックス」です。小売業では当り前に使われている手

法ですが、スーパーマーケットの創成期から取り入れられています。製造業によ

くみられる「原価積み上げ方式」にしなかったことが、現在のスーパーマーケッ

トの隆盛に繋がったのではないでしょうか。

 現在の日本のスーパーマーケットの粗利益率(GPR)は総じて22%~26%くらい

と言われており、そこから人件費、物件費、間接部門費用(総務、経理、システ

ム部等)を差し引いた最終剰余(NET)2%以上の企業が、優良スーパーと言われて

います。製造業に比べるとかなり低いNETと言えます。

 逆に言うと、店舗の舵取りを間違えると閉店・撤退になりやすい構造と言え

るかも知れません。地域に必要とされ続ける店舗作りをしていかなければ、地

域の生活インフラが損なわれることもあるため、私たちの使命はとても重要だ

と言えます。