□マージンミックス?
1930年8月、アメリカで、「大型店舗に、セルフサービスで、低価格
(低利幅)9%で、ダイナミック価格(300品目を原価で、5%、15%、20%
の利掛でそれぞれ200品目ずつ)の総合食品店を開けば成功する」と考えら
れてできたのがマージンミックスという考え方の始まりです。
このように、スーパーマーケットでは、その創設時から「マージンミックス」
の考え方で価格を設定しています。
[カレンの低価格設定計算式(マージンミックス)(マーチャンダイジングミックス)]
品名 |
アイテム数 |
構成比 |
値入率 |
相乗比(積) |
A |
300 |
33% |
0% |
0 |
B |
200 |
22% |
5% |
1.1 |
C |
200 |
22% |
15% |
3.3 |
D |
200 |
22(23)% |
20% |
4.6 |
計 |
900 |
100% |
|
9.0 |
値入率の低い商品と高い商品を組み合わせて、「安さ」を提供しながら利益管
理を行う手法が「マージンミックス」です。小売業では当り前に使われている手
法ですが、スーパーマーケットの創成期から取り入れられています。製造業によ
くみられる「原価積み上げ方式」にしなかったことが、現在のスーパーマーケッ
トの隆盛に繋がったのではないでしょうか。
現在の日本のスーパーマーケットの粗利益率(GPR)は総じて22%~26%くらい
と言われており、そこから人件費、物件費、間接部門費用(総務、経理、システ
ム部等)を差し引いた最終剰余(NET)2%以上の企業が、優良スーパーと言われて
います。製造業に比べるとかなり低いNETと言えます。
逆に言うと、店舗の舵取りを間違えると閉店・撤退になりやすい構造と言え
るかも知れません。地域に必要とされ続ける店舗作りをしていかなければ、地
域の生活インフラが損なわれることもあるため、私たちの使命はとても重要だ
と言えます。