小売業・サービス業好き! 全員集合!50

□客層が変わってきた?

  日本の小売業の多くは、高度成長期以降「1世帯4人家族」という類型をベース

に品揃えを考えてきました。そのため、柑橘類の袋入は4玉、魚の切身は4切が

メイン、すき焼き用のお肉も400g中心の量目設定でしたし、それで良く売れて

いました。

 しかし、現在はどうでしょうか。都会も地方も理由は様々ですが、平均世帯構成

人数が「2人」切っている地域が多くなりました。「1世帯4人家族」という類型は

崩れ去りました。若年層や高齢者だけでなく、30〜50歳台の独り世帯も増え、

「1人もしくは2人世帯」は急激に増加しています。

 そうなると当然ながら、私たちの品揃えの基準を見直さなけれぱ、来店してもら

えなくなります。コンビニエンスストアはいち早く「独り世帯」への対応を行いま

した。おにぎりの売場を縮小し、独り用のお惣菜の種類を増やしていますし、アイ

スが中心だった冷凍コーナーも、電子レンジ対応の「使い切り食材」や「孤独のグ

ルメ?」が拡大しています。

 スーパーマーケットの場合、量目を減らすと買い上げ点数が増加しなければ、

売上高が下がります。そのため、量目を減らすことに抵抗感があるのです。しかし、

これからはそんなことは言っていられません。「1人もしくは2人世帯」の方に来店

してもらえなければ、先細りになるからです。「1人もしくは2人世帯」の方にも

来てもらえる商品作りや売場作り、量目を下げても成り立つ経営を模索していく

ことが求められています。