□「事前期待値」という厄介なもの…
小売業はお客様のニーズや潜在意識を汲み取り、それを品揃えや売場作り、サー
ビスで具現化しなければ、お客様に満足していただけません。お客様が求めている
ものは朝と夕方、今日と明日でも違います。かといってお客様の方から「〇〇が
ほしい」と言ってこられることは稀です。そのため、私たちはデータやお客様の声、
生活与件から仮説立てして提案していくことでしかニーズを顕在化させることが
できません。
新店や改装店舗も1年経つと売上、客数が落ちてくることがあります。店舗の
担当者は売上、客数が落ちてくると「去年と同じ商品、同じ売場を作っているのに
なぜ売れないのだろう」と頭を抱えることがしばしばです。どこに原因があるの
でしょうか?
それは「去年と同じ商品、同じ売場を作っている」からです。(禅問答みたい
ですが、、、)
新しく出店したり、改装すると、最初は新しい売場にワクワクしてもらえ、売上
も好調なものです。しかし1年経過するとそれはお客様にとって「当たり前」にな
ります。お客様にとって「当たり前」の売場になれば、もうワクワクしていただく
ことができません。だから客数や売上が下がっていくのです。
お客様の満足度は次の式で表すことができます。
「お客様満足度=お客様が感じた価値-事前期待値」
お客様が感じた価値が昨年と同じだったとしても、お客様の事前期待値が昨年
より上回っていれば、満足度は下がってしまいます。昨年より更にワクワクする
売場やサービスを提供しなければお客様を満足させられないとすれば、常に次の
一手を考えておかなければなりません。その一手もまた、お客様の中にある答え
を探す旅になります。