□ホスピタリティ…和倉温泉「加賀屋」のおもてなし③
冬の能登では雨、風、雪、雹、霙への備えが必要です。観光をしていても、いき
なり雹が降ってきて、あたり一面「氷玉の世界」に見舞われることがありました。
夜の加賀屋も厳重に雨戸をしているにも関わらず、日本海から吹きつける強烈な
風雨や雪、雹に加えて「ぶり起こし」を想起させる雷鳴が轟き、私たちの睡眠を妨
げます。家族みんな夜中に目を覚ましては、「どこか窓が開いているのでは」と
戸締りを確認する始末です。そういうわけで、みんな睡眠不足を感じながら朝食を
迎えることになりました。
朝食も部屋食で豪華で、郷土色溢れるものでしたが、長女が寝不足から気分が
悪いということで朝食もそこそこに横になることに。このあとのスケジュールを
考えると何も食べないと持たないと思い仲居さんにお話ししたところ、料理長と
相談して2種類のおにぎりと牛乳、デザートを用意してくださり、何とか出発に
こぎ着けました。朝の忙しい時間にも関わらずこちらの希望を聞き、嫌な顔も
せず、スピーディーに対応してくださり、本当に頭の下がる思いでした。
「私たちだったら、こういう対応ができただろうか」帰途についてからもずっ
とその思いが頭から離れませんでした。