□組織がとるべき優先課題とは?
会社や組織には「社訓」や「社是」というその組織体が目指したい姿を明示し
たものがあると思います。企業によっては毎朝の朝礼で唱和することもあるので
はないでしょうか。
また「○○年ビジョン」や「第○期 中期計画」といった、中長期のスケジュ
ールやロードマップを決めて取り組んでおられる企業も多いと思います。
昔のように新規採用は、毎年の新卒者の採用のみだった頃は新人研修でわが
社の「社訓」や「社是」、はたまた「理念」などを説明すればよかったのですが、
通年採用で新卒のみならず、「第2新卒」や中途採用等、採用形態が多岐にわた
るようになると、今まで以上に「会社や組織が目指すもの」をきちんと伝えてい
く必要があります。これが不十分だと、ベクトルにばらつきが生じ、組織として
の統率が取れなくなるので危険です。
一方で「大方針」や「大目標」だけでは、日常的に発生する課題に対応する
ことが難しいことも多々あります。
俗にいう「幹はあるけど、枝葉がない」状態になると、現場ではどう判断して
よいかわからず、毛細血管が詰まるように血液が行き届かず、組織が壊死しかね
ません。
私が以その昔、大先輩の方から教えられ、今でも大切にしている言葉の中に
「会社(組織)がとるべき優先課題」という言葉があります。それは
1、 品質の前に人間関係を
2、 効率性の前に価値観を
3、 強調の前に信念を
4、 忠誠の前にいたわりを
5、 組織の成長の前に個人の成長を というものです。
いかがですか。現在はいろんな意味で、人と人との関わりが薄くなりつつあり
ますが、「組織は人の集合体」と考えれば、まずそこで働く「人」にスポットラ
イトが当てられなくてはいけないのではないでしょうか。目標を達成させるのも
生産性を上げるのも、そこで働く「人」なのですから…