小売業・サービス業好き! 全員集合!85

□気になる価格と気にならない価格

 このところの物価高騰で殆どの商品やサービス、公共料金の価格が値上がり

しています。収入の伸びより物価の伸びが上回れば、当然ながら私たち消費者

としては“生活防衛”のために、購入する商品の価格や質をより吟味せざるを得

なくなります。かといって生活水準は一気に変えることは難しいので、悩まし

いところです。

 スーパーマーケット業界も値上ラッシュを余儀なくされており、日々その対

応に追われています。バイヤーの皆さんもメーカーからの値上要請が引きも切

らない状況です。この状況下では、値上げを受け入れなければ商品供給が難し

くなるものもあり、商品政策の練り直しを迫られています。

 ところで、お客様の目線から見るとすごく価格に敏感になる商品とそうでな

い商品に分かれることはあまり知られていません。不思議に思われるかも知れ

ませんが、お客様はすべての商品価格について敏感なわけではないのです。

真っ先に価格が気になる商品は「利用頻度の高い」商品です。以前も触れまし

たが、購入頻度の高い野菜、豆腐、玉子、パン等のいわゆる「生活必需品」の

値上げには非常に敏感です。次に「シーズン商品」。季節的によく購入される

商品で夏場なら乾麺や麺つゆ、冷や奴、飲料水、アイスなどが挙げられます。

3つ目は知名度の高い「ナショナルブランド」の商品の価格です。カレーなら

バーモントカレーやジャワカレー、完熟トマトのハヤシライスソース、飲料な

コカ・コーラやポカリスウェット等です。よく特売になる商品でもあるため、

良く目立つことも理由でしょう。

 反対に価格が気にならない商品の代表格は、各企業で作っている「プライベ

ートブランド」の商品です。そもそも企業によって仕様(スペック)が異なるた

め、消費者の方々も同じような商品でも比較しにくいからでしょうか。スーパ

ー各社が「価格据え置き」と銘打って売場でアピールするもの「プライベート

ブランド」の商品が多いようです。比較しにくい=価格のみで評価しにくいが

故に、「プライベートブランド推し」が増えていくのです。「プライベートブ

ランド」の比較し、消費者の皆さんの「推し」を探していくことが必要になっ

てくるかもしれませんね。