□人間はとかく「比較する」生き物ですから…
よくよく考えると私たちは比較することで判断したり、納得したり、時に腹を
立てたりしますよね。子供の頃と言えば親から「〇〇ちゃんは、△△高校に行く
らしい。お前ももう少し頑張ったらどうか」等と発破をかけられたことを思い出
します。これも親が私と〇〇ちゃんを比較して言っているワケです。
売場にある商品についても実は同様で、298円のA商品だけを広げてもあまり売れ
行きは良くありません。A商品が良いのか、安いのかがわからないからです。A商品
横に398円のB商品を、その上に198円のC商品を配置すると、とたんにA商品の売れ
が良くなります。人間には極端を回避する「固着性ヒュリスティック」によって、
真ん中を選びやすい性質があります。(松竹梅効果ともいいます) 1つしかない商品
の場合は「判断できないから買わない」という心理が働くのです。選択肢を用意
し、一番売れる商品のフェイスを拡大することで大きな売上に繋げることができ
ます。
逆に言うと、比較する消費がない売場やカテゴリーは、「自ら売れないようにし
ている」と言えるかもしれません。お客様の立場からすると、きちんと比較(選ぶ)
して買物ができる方が満足感が高まります。どうでしょうか? 比較して買えない
売場(商品)はありませんか?