□ディズニーリゾートから学ぶ➀ ~理念の共有とホスピタリティ~
東京ディズニーリゾートが浦安にオープンして40周年を迎えました。国内外か
ら多くの方が訪れる「魔法の王国」は完成することなく、常に次のアトラクショ
ンが計画されています。大規模レジャー施設が飽きられないように変化し続ける
のは正直凄いと思います。
ディズニーリゾートのノウハウや接客のすばらしさは、いろいろな媒体で発信
されていますが、エンターテイメントとアミューズメントを兼ね備えた施設とし
て、人々を引き付けて止みません。
私が驚くのは、ディズニーリゾートで働かれている方の9割はアルバイトだと
いうことです。「夢の王国」で働きたいという思いをもって応募されている方々
だと思うので、一般的なアルバイトの方よりモチベーションが高いことは理解し
ますが、それにしてもパレードのキャストだけでなく、アトラクションのスタッ
フや清掃係に至るまで、キビキビと笑顔で仕事をされている姿を見ると、ディズ
ニーリゾートの教育の仕組みの凄さを感じざるを得ません。
ディズニーリゾートに採用されるとすぐに園内で業務に当たらず、まずディズ
ニーの理念(ディズニーフィロソフィー)を学ぶそうです。ディズニーが目指すも
のをしっかり理解、共有するところから始めることで、キャストとしてゲストを
迎える意識や姿勢を身に着けることを目指しているそうです。言うならば「私は
なぜここで働くのか」を一人一人が理解した上で、担当業務を行うというもので
す。私たちは新人の方に「即戦力」を求める過ぎるあまり、「なぜわが社で働く
のか」「わが社で働くことの意義目的は何か」を深く理解させずに、単に「作業
を任せる」だけになっているのかも知れませんね。そのくせ「今回の新人は…」
などとボヤいたりしていませんか? 「なぜここで働くのか?」を考え、理解して働
くことは、顧客へのホスピタリティの醸成と仕事へのモチベーションを上げるこ
ととイコールなのかも知れません。私たちは「即戦力」を急ぐあまり、大切なこ
とを見落としているのかも知れません。