□地場野菜の売場から
多くのスーパーマーケットに「地場野菜」コーナーが設置されています。
近隣の契約農家の方が穫れたての野菜や果物を店舗の「地場野菜」コーナーに
持って来られます。鮮度の良さや値ごろの価格から大変人気のある売場になっ
ています。入荷が少ない時などは、早くから並ばれて利用される方も多くいら
っしゃるほどです。
「地場野菜」コーナーの仕組みは企業や店舗で異なりますが、大別すると場
所だけお貸しし、陳列から売り切りまで農家の方が行うものと、陳列フォローや
売り切りは店舗の人が行う代わりに、毎月一定割合の金額を農家の方から手数料
という形でいただくものに分かれます。農家の方も売れ残らず売り切れるような
価格を付けたり、知名度の低い野菜には食べ方のお知らせを付けたりして、利用
に繋がる工夫をされています。そういった取り組みも「地場野菜」コーナーの楽
しさになっています。
一方で車を走らせると、年を追うごとに「耕作放棄地」が増加しているのが気
になります。農産物に限らず、一次産業の衰退は、食料自給率の低下に繋がり、
外国製品の依存度が高まることで、価格競争に晒されることになります。後継者
問題や農地法の関係等ももちろんありますが、一次産業が魅力ある仕事で十分収
入が得られるようにしていくことが大切ではないでしょうか。「食糧安全保障」
等と大上段に構えなくても、私たちが生活するための食糧を自分たちの国で生産
し、消費することについて、もっと多くの方に興味関心を持ってほしいと思うの
は私だけではないと思います。