□未利用魚がミライを変える?
「未利用魚」って聞かれたことはありますか? 「水産物の水揚げから流通過程
で、魚体のサイズが不揃いであったり、漁獲量が少なくロットがまとまらない
等の理由から廃棄されたり、非食用に回されたり、低い価格でしか評価されな
い魚」のことを指します。世界の大半の地域では全漁獲量の30~35%が廃棄さ
れているといわれ、日本でもおよそ100万トンもの魚が廃棄されている可能性が
あるそうです。「未利用魚」の代表的なものとしては、アイゴ、イラ、ニザダ
イ、マトウダイ、コショウダイ、ボラ、タカノハダイ、ミノカサゴ、ミシマオ
コゼ、オジサン等です。
魚の水揚げ量が激減し、価格も高騰していることも相まって「魚離れ」がどん
どん進んでいます。スーパーマーケットでも水産部門と畜産部門の売上高構成比
は約20年前までは拮抗していましたが、現在では畜産部門が上回るようになり、
その差がどんどん広がっています。
そこで「未利用魚」を活用できないか、様々な取り組みが始まっているようで
す。魚の「クセ」を取り除いて干物に加工する取り組みや、寿司ネタに使用でき
ないか試行錯誤している回転寿司チェーンなど、「未利用魚」を「大衆魚」に繋
がる取り組みになれば嬉しいですよね。
漁師さんにとっても、今まで捨てていたり、「二束三文」で売っていた魚の価
値が上がることは、生計を支える上でも大きいと思います。漁師さんにとっても、
消費者にとってもメリットになれば素敵なことではないでしょうか。