小売業・サービス業好き! 全員集合!76

□当世鍋事情?

   寒い時期には、鍋物で暖まりたいですよね。比較的手軽でおいしく食べられ

鍋物は、冬場の食卓を彩ります。現在では当たり前になった「鍋つゆ」ですが、

ほんの20年前までは殆ど品揃えがありませんでした。それまでは、すき焼きのタ

レやしゃぶしゃぶのタレ等のタレはありましたが、鍋物の味付けは、各家庭で料

理に応じて行うことが主流でした。また、「鍋物=家族団らん」というイメージ

がありましたので、鍋物は家族揃って食べることを前提にしてきましたが、昨今

は「一人鍋」や「温めなおしてもおいしい鍋」という切り口も増えており、食シ

ーンの変化を感じます。

 鍋つゆといえば定番の「寄せ鍋」「キムチ鍋」「水炊き」等に加えてあご(飛魚)

や昆布出汁等、出汁にこだわったものやラーメン屋さんのスープで作った鍋、有

名料亭やレストランの鍋など、百花繚乱の様相を呈しています。これに地域の名

物鍋(大分のごまだし等)なども加わり、よりバラエティー豊かになっており、どの

鍋にするか迷ってしまうほどです。

 また、残った具材で楽しめるのも鍋物の良いところですよね。残ったスープを

使った雑炊やリゾット、〆のラーメン等はもとより、翌日に「味変」して、違う

趣で食べというのも楽しいものです。グリコではありませんが、「1回で3度楽し

い」味が楽しめるというものです。

 その鍋物料理は、野菜の価格に敏感に反応する料理でもあります。冬場野菜が

高騰している時は鍋物需要が低迷するため、食品スーパー担当者は「青ざめて」

しまいます。なぜなら、鍋物をする際は、野菜やお肉(お魚)、豆腐、こんにゃく

・シラタキ類等、関連する具材も併せて利用していただけるので、冬場に鍋物

要が低迷すると買い上げ点数がガクッと下がり、売り上げが厳しくなるからです。

「冬は寒く、野菜はくすくすと」が食品スーパー担当者の願いでもあります。