□催事と売場の「やんごとなき」関係①…「節分編」
「節分」は旧暦の「立春」が新年であったため、その前日に邪気を払う目的で
始まったのが由来とされており、現在の大晦日のような日であったといわれて
います。年の変わり目に邪気を払い、1年の無病息災を願う行事として豆まき
「恵方巻」は関西を中心に食べられていましたが、今では全国に定着しつつ
あります。「縁を切る」に通じないように、1本丸ごと恵方を向いて無言で食べ
るのが正しい作法と言われています。
いままで恵方巻を食べる風習のなかった地域にも恵方巻が定着したのは、商魂
たくましい小売業者の努力の賜物でしょうか。
スーパーマーケットでは年始から恵方巻の予約販売を行い、少し上質な恵方巻
の予約を取り込もうとします。売場はというと2月3日は臨戦態勢で臨みます。
何せこの日は夕食のメニューが決まっているため、主婦にとってはメニュー選び
に苦労しなくて済むため、巻き寿司売場に直行されます。最も避けなければなら
ないのは「品切れ」です。決まっているはずのメニューが手に入らない時の失望感
はハンパないですから。近年は「食品ロス」も社会問題化しているため、作りすぎ
て廃棄になることも避けなければなりませんので、頭の痛い問題です。
巻き寿司は「巻き手人数」×「1時間当りの製造量」×「作業時間」で算出する
ため、「巻き手」が不足すればアウトパック(工場製品)の発注を増やす等の手立て
を講じますが、当然店内調理の方がおいしいく、売れるため、悩ましい問題です。
巻き寿司と一緒に召し上がるお吸い物の具材(三つ葉、そば、かまぼこ等)や茶わん
蒸しなども目立つところで展開します。節分の日は精肉部門は少しトーンダウン
します。
節分の翌日は「立春」で、暦の上では春になります。節分が終われば、売場は
一気に春のイメージに変更していきます。