□ノントレー?
容器リサイクル法が制定されたことで、食品を乗せているトレーやペット
ボトル等の容器は回収し、リサイクルすることが当たり前になってきまし
た。循環型社会の実現のためには「3つのR」(Reduce:減らす、Reuse:繰り
返し使う、Recycle:再資源化する)は大切ですし、みんなが力を合わせて取
り組む社会が求められていると思います。
食品スーパーでは、特に畜産部門や惣菜部門でトレーを使わずに商品作
りを行う、いわゆる「ノントレー」商品が増えてきました。鶏肉やミンチ、
コロッケ等の揚げ物など、トレーを使わずに専用袋に入れた商品が広く認
知されてきました。ご家庭でも買って帰った商品のトレーがかさ張って困
るという声も多く、ノントレー商品の利用が増えるにしたがって、売場で
ノントレー商品の占める割合も広がってきました。現在では、ノントレー
専用のオートパッカー(自動包装値付け機)まで開発されており、作業の効
率化も進んでいます。
それではこれからも、ノントレー商品はどんどん増えていくのかという
と、それはなかなか難しいようです。魚はトレーを使わないと持ちにくく、
ドリップ(肉汁)も出やすくなりますし、お刺身や切身などはノントレーで
は、見栄えが悪く買っていただけないのが現状です。お肉についてもうす
切り肉や焼肉用に切ったお肉等は同じ理由でノントレーは困難です。そう
考えるとノントレー化も限りがあるように思えます。
昔は買物といえば、近所の八百屋や魚屋、肉屋に行っていました。いず
れも対面販売で、必要なものを必要な量だけ、量り売りでした。購入した
ものは紙やポリ袋に入れて持ち帰っていたことを考えると、昔の生活の方
がよっぽど「Eco」だったと思えてきます。安さと便利さを追求した結果、
実はいつのまにか「振出しに戻る」ことになってはいないでしょうか?