□ポイント狂騒曲?
昨今は小売業に留まらず、銀行や放送局等もポイントによる集客や顧客の囲い
込みを行っています。
そもそもポイントは、利用還元の1つとして導入されたものですが、ポイント
相互に互換性を持たせることも広がってきたことから、1種の通貨(マネー)のよう
な感覚になってきたように思います。
ポイントを貯める、使うことの幅が広がり、物品の購入や飲食やサービスの
利用、はたまた募金に至るまでポイントでできてしまいます。最近は貯まった
ポイントを誰かにプレゼントすることもできるようになっており、お正月のお
年玉もそのうちポイントで渡すことが主流になるのではと考えたりします。
ポイントをプレゼントする企業にしてみれば、次もまたウチの店を使ってほ
しいとの思いでポイント発行を行っているのですが、どこに行ってもポイント
が花盛りになると、通常ポイント(100円や200円で1ポイント)では魅力を感じな
くなっているのではないでしょうか。販促効果を高めるために、「ポイント○倍
デー」という日を作り、集客を図る企業も少なくないと思います。そうすると当
然ながら、「ポイント○倍デー」ではない日は客数が落ちることになりますし、
どんどんポイント付与率を高めなければ、客数を維持できなくなってきます。
最近はポイント20倍デーというのも目にしますから、行き過ぎ感は否めません。
商品や店舗の優位性が薄らぎ、どこの店舗を選んでも代り映えしなくなると、
ポイント合戦が激しくなる傾向にあるようです。ポイントは会計上は「将来使用
される負債」の項目に計上されることから、発行したポイントが使用されずに増
え続けると、負債が増え続けることになり、経営を圧迫しかねません。ポイント
による集客の前に「商品と店舗の魅力による集客」という「基本のき」を忘れな
いようにしたいものです。