□お店もお客様を選ぶ時代?
スーパーマーケットもドラッグストアもコンビニエンスストアも「オー
バーストア」状態になってきました。品揃えや特売だけで客数を維持する
ことが困難な時代です。新聞の購読数が世帯数の4割を切るようになって
くると、新聞折り込みによる特売も効果が出にくくなっています。かとい
ってアプリや会員限定のメールサービスなども対象者が広がらないと効果
は限定的です。
似たような店舗がひしめき合う現在では、企業や店舗の「個性」を出
し、それが受け入れられないと継続した利用には結び付きにくくなってい
ます。物価がどんどん上がってくると価格で優位性を保つことも困難です。
これまでの「特売=利益を削って客数を増やす」という構図が描けなくな
ると、コストに見合った販促を考えざるを得なくなります。そうなると玉
子や砂糖といった「赤字企画」の特売品を買いまわるお客様を重視できな
くなってきます。なぜなら、それらの方はお店に対してロイヤリティーが
低く、利益率も低いお客様だからです。お店としては、普段から良く利用
していただくお客様をより優先する販促に切り替えていかざるをえません。
具体的には、普段から良く利用してくださるお客様には特別にお買得品
を用意した招待状を発行したり、特別にポイントプレゼントの企画を打っ
たり、割引券を発行したりといった内容です。わが店のファンのお客様に
「優良顧客(ロイヤルカスタマー)」になっていただき、他の店舗に「浮気」
しないようにしてもらう作戦です。
「20:80の法則」の項でも書きましたが、2割のお客様が売上高の8割を担
っていることを考えれば、「2割のロイヤルカスタマー」の囲い込みは店舗
にとって死活問題になります。これからは「誰でもウエルカム」の時代では
なくなるかも知れませんね?