□社是・社訓・理念?
多くの企業や組織には社是・社訓・理念というものがあると思います。そ
れぞれの企業が目指すべき姿であったり、そのプロセスを示したものが多い
ようです。社是・社訓・理念がまったくないという企業は殆どないのではな
いでしょうか。
企業によっては朝礼で全員で唱和したり、新入社員研修で社是・社訓・理
念を決めたいきさつについて説明することもあると思います。企業への帰属
意識を高めることにも繋がるため、昔から脈々と受け継がれている風習とい
えます。
私の拙い経験から言うと社是・社訓・理念の類は、わかりやすいものとわ
かりにくいものに大別されるような気がしています。創業時に決めた社是・
社訓を見直すことは、おいそれとはできないのかも知れませんが、新入社員
の方が正しく理解できているのかなと疑問を抱くような難解なものもありま
した。
研修等で新入社員の方に「私たちの仕事は社是・社訓・理念を達成させる
ことです」というと不思議そうな顔をする方が多くいらっしゃいます。皆さ
んの仕事の目標は何ですかと尋ねると「私の仕事は営業目標を達成させ…
云々」と言われる方もいらっしゃいますが、入社するということは「その企
業が目指す姿を自分も目指すという意思表示」であると捉える必要があると
思います。意外ですがそういう捉え方で教育を行う企業は多くないようです。
近年は労働市場の流動化を政府も後押ししていることもあり、「入社=生
涯雇用」という図式は崩れていますが、同じ会社にいる以上は同じ目的を共
有することは当然のことだと思います。特に中途採用が増加している企業に
おいては、社是・社訓・理念についての教育を強化することで、働く人たち
のベクトル合わせをしていく必要に迫られていると思えるのです。