□産直商品?
「産直商品」と聞くと産地から直送された新鮮な商品というイメージを持
たれる方が多いと思います。中には市場を通さないので鮮度が良く、価格も
安いと思われている方もいるようです。あながち間違っている訳ではあり
ませんが、「産直商品=鮮度が良い、安い」という認識は必ずしも当ては
まらないことがあります。産直商品を注文する場合は、「産地の生産者の
都合で商品と価格が決まる」ということを念頭に置いて注文することをお
すすめします。当然ですが、商品を発送するのは生産者の方ですので、注
文通りの商品があれば問題ないのですが、「ない袖は振れない」ことも実
際にはあると思います。
例えば、とある漁業従事者に鮮魚詰合せを発注する場合、沢山水揚げが
あれば、その中から選別して送ることができますが、時化で水揚げの少な
い時や、波が高くて漁に出られない時は、どうしてもあるもので代替する
ことがあります。それでも漁業従事者にとっては「できることはやってい
る」のですが、消費者から見ると予想外の中身になるとがっかりすること
もあると思います。
市場機能は生産地から集荷し、「セリ」や「相対」で相場を決め、仲卸
から小売に商品が流通される仕組みです。一見、古い仕組みで日数がかか
るイメージがあるかもしれませんが、「需要と供給のバランスで価格が決
まる」ことや、「商品のプロである仲卸が目利きすることで、商品の価値
以上の価格にはなりにくい」というメリットもあります。商品の手当てが
悪いと大卸(荷受け会社)から出荷先にクレームを言うこともあるのです。
インターネットやSNSが発達し、消費者が産地から直接商品を購入でき
るようになったことは良いことではありますが、「相場」や「商品の良し
悪し」等で売り手と買い手の齟齬が発生しやすいことも予め想定しておか
なければならないのかも知れませんね。