小売業・サービス業好き! 全員集合!58

□「ラスト ワンマイル」をどうする?

  特に小売業や流通業では「ラスト ワンマイル」をどうするかが喫緊の課題

になっています。

 「ラスト ワンマイル」とは距離の問題ではなく、最終ユーザーの方にどう

やって商品をお届けするかという問題です。運輸業では「2024年問題」があり、

トラックドライバーの労働問題や働き方改革として、運転する時間等に法的規

制が設けられます。今までグレー(というかブラック)ゾーンだったトラックドラ

イバーの長時間労働にメスが入ることになり、1人にドライバーが運べる荷物の

範囲が制限されることになります。そうなると、今まで当日に配達できていた

エリアが翌日配達になることや、新たにドライバーを採用しなければならなく

なること等を総称して「2024年問題」と呼ばれています。

 小売業についても当然ながら、注文を受けて配達できる範囲や数が限られる

ことで、コスト上昇や注文減少に繋がりかねません。

 また小売業では、高齢化や人口減少の問題も深刻です。地域住民の方たちが

高齢化し、人口減少していくと交通インフラが弱体化し、移動手段が大幅に限

られる人達が増加します。バス路線や便数の減少、高齢による運転免許の返納、

市街地との距離等、様々な要因で「買物困難者」になる方は都市、地方を問わ

ず増加しています。「買物困難」な方にどうやって商品供給や「足」を確保で

きるか。この問題は、自治体も含めて待ったなしの状況になっています。

 買物支援では「とくし丸」のような移動販売を行う企業も増えてはきていま

すが、基本的に「儲からない」ルート(住宅が一定数集合していない)には行って

くれないという問題があります。また、「お買物バス」等の運行は、コストが

かかるため、きめ細かく地域をカバーするに至っていないのが現状です。

 「ラスト ワンマイル」の問題は、今後更に顕在化してくると思われます。

現時点で決定打はありませんが、自治体、民間、地域住民が垣根を越えて知恵

を出し合い、解決策を模索していくしか方法がないのかもしれませんね。