□「ラスト ワンマイル」をどうする?
特に小売業や流通業では「ラスト ワンマイル」をどうするかが喫緊の課題
になっています。
「ラスト ワンマイル」とは距離の問題ではなく、最終ユーザーの方にどう
やって商品をお届けするかという問題です。運輸業では「2024年問題」があり、
トラックドライバーの労働問題や働き方改革として、運転する時間等に法的規
制が設けられます。今までグレー(というかブラック)ゾーンだったトラックドラ
イバーの長時間労働にメスが入ることになり、1人にドライバーが運べる荷物の
範囲が制限されることになります。そうなると、今まで当日に配達できていた
エリアが翌日配達になることや、新たにドライバーを採用しなければならなく
なること等を総称して「2024年問題」と呼ばれています。
小売業についても当然ながら、注文を受けて配達できる範囲や数が限られる
ことで、コスト上昇や注文減少に繋がりかねません。
また小売業では、高齢化や人口減少の問題も深刻です。地域住民の方たちが
高齢化し、人口減少していくと交通インフラが弱体化し、移動手段が大幅に限
られる人達が増加します。バス路線や便数の減少、高齢による運転免許の返納、
市街地との距離等、様々な要因で「買物困難者」になる方は都市、地方を問わ
ず増加しています。「買物困難」な方にどうやって商品供給や「足」を確保で
きるか。この問題は、自治体も含めて待ったなしの状況になっています。
買物支援では「とくし丸」のような移動販売を行う企業も増えてはきていま
すが、基本的に「儲からない」ルート(住宅が一定数集合していない)には行って
くれないという問題があります。また、「お買物バス」等の運行は、コストが
かかるため、きめ細かく地域をカバーするに至っていないのが現状です。
「ラスト ワンマイル」の問題は、今後更に顕在化してくると思われます。
現時点で決定打はありませんが、自治体、民間、地域住民が垣根を越えて知恵
を出し合い、解決策を模索していくしか方法がないのかもしれませんね。