□冷凍食品パラダイス?
スーパーマーケット発祥の地であるアメリカでは、冷凍食品をまとめ買い
してレンジやオープンで温めてそのまま食事に饗することが当たり前という
文化があるようです。「カウチポテト」という言葉があるように、ソファー
に座り込み、一日テレビ等を見ながら過ごす方もいて、そういう方には冷食
やスナックは欠かせないアイテムと言えます。
私が15年位前にアメリカのスーパーマーケットを視察した際、売場面積も
さることながら、冷凍食品売場の広さにビックリしました。その当時は、冷
凍食品の品揃えと味、価格は競合するスーパーマーケットの差別化になって
いると聞かされて、再びビックリ。その頃の日本のスーパーマーケットの冷
凍食品売場はというと、枝豆やブロッコリー等の冷凍野菜、唐揚げはハンバ
ーグ、冷凍うどん、炒飯、お弁当用の冷凍食品くらいが関の山でした。アメ
リカの冷凍食品売場を見ても、いずれ日本もこんな風に冷凍食品売場が広が
ることはないのではないかと思ったものです。
ところが、現在はどうでしょうか? 冷凍食品の売場はどんどん拡大され、
アイテム数も増え、まるでお菓子のように毎年様々な商品が開発されては、
淘汰されることを繰り返しています。いままであった定番品に加え、中華、
韓国、アジアン料理や本場イタリアのピザやスイス製のチーズフォンジュ、
フランス産のジビエ料理、はたまた人気のラーメン屋のラーメンまで販売さ
れています。
特に新型コロナウイルスで外出を自粛したり、リモートワークが定着した
ことも冷凍食品の開発に拍車がかかった原因ではないでしょうか。また技術
革新で小型の急速冷凍機が開発されたことで、今まで冷凍食品を作ることが
出来なかった中小企業でも比較的低コストで製造できるようになったことも、
冷凍食品の裾野を広げています。「有名レストランの味をご家庭で」という
キャッチフレーズのもと、どんどん便利に、より美味しく進化を続ける冷凍
食品に、私たちの胃袋も掴まれっぱなしになるかも?!